2017年2月19日(日) アメリカの産業 -サンベルト
安部総理とトランプ大統領との、注目の日米首脳会談が行われ、共同声明も発表されて無事終了したが、その後も、連日、めまぐるしい経過である。
これらについては、改めて取り上げる予定である。
アメリカを知り、特に州を覚える目的で、これまで、各方面からアプローチしてきた所だ。前回は、アメリカの産業の面から、農業の話題を取り上げたが、今回は、工業やハイテク産業等を話題としたい。
下図は、アメリカの主な産業立地を示したものだ。(ネット画像より)
◇サンベルト
アメリカでの産業の立地は、歴史の経過とともに変化してきたが、ここ数十年、地理的には、北緯37度線から以南の地域で、大きく発展した産業群がある。この地域全体を、上図にあるように、サンベルト(sun belt)と呼称していて、文字通り日照時間も長く気候温暖で、土地が安く、労働力が豊富で低賃金ということが、発展した背景と言われる。 北緯37度線は、日本では、福島県のいわき市近辺になる。
図にあるように、この地域には、以下のような産業が集積している。
テキサス州 ヒューストン周辺 石油・化学工業 航空宇宙産業
ダラス・フォートワース地区 航空宇宙産業
カリフォルニア州 ロサンゼルス周辺 航空機 石油化学
サフランシスコ周辺 ハイテク産業
(シリコンバレー) 情報技術産業(IT)
電子・コンピュータ 情報通信
フロリダ州 航空宇宙関連
カナダ国境に近い、ワシントン州 シアトルでも、航空機産業等が集積している。
◇スノーベルト
歴史が古い五大湖周辺は、周辺で資源が豊富で、農産物が集積し、水運が便利だ、等から、以下のような、産業が立地している。
鉄鋼業 :ピッツバーグ(鉄鉱石・石炭産出、水運)
自動車産業 :デトロイト (材料の鉄鋼)
食品・機械 :シカゴ (農産物の集積、食品加工、農業機械)
上述のサンベルトと対比しこれらの地域を、スノーベルト(snow belt フロスト(frost)ベルトとも)と呼ぶこともあるようだ。
これらの地域では、従来型の重厚長大型の産業等が発展したが、後発国の追い上げや、時代の変化等から、主要産業が衰退するなど、苦闘している。ネーミングは、寒冷で、陰のイメージが強いのだが、時代に合わせて、変わりつつあるようだ。(サンベルト - Wikipedia )
◇宇宙から見たアメリカ夜景
下図は、ある不動産ビジネス企業が、アメリカ南部への不動産投資を勧めているサイトに出ている、2011年当時の、衛星から見たアメリカの夜景という。(これからはじめるランドバンキング ~アメリカ・カナダ海外不動産投資の魅力~)
お勧めの地域として、赤い○印で囲って、以下の
・アリゾナ州 フェニックス
・テキサス大都市圏 (下ヒューストン、上ダラス・フォートワース)
・ジョージア州 アトランタ大都市圏
・ワシントン首都圏 (左から、ワシントン フィラデルフィア ニューヨーク)
4地域を示している。
図の中で、明るく光っている、他の地域は、推定だが、
(西海岸)
カリフォルニア州 下ロスアンゼルス周辺 上サンフランシスコ周辺
ワシントン州 下シアトルと上バンクーバー
(五大湖周辺)
イリノイ州 ミシガン湖南東部シカゴ周辺
ミシガン州 エリー湖周辺デトロイト
ミネソタ州 ミネアポリス
オハイオ州 エリー湖周辺クリーブランド
カナダ オンタリオ湖周辺トロント セントローレンス川畔モントリオール
(東海岸)
マサチューセッツ州 ボストン周辺
等だ。
アメリカ本土全体が、影絵のように浮かび上がる光景は、新旧産業が、バランスしているようにも見え、なんと壮大な景観だろうか!
トランプ新大統領は、このような鳥瞰のイメージを持ちながら、アメリカの将来を慮って、「雇用」、「雇用」と叫んでいるのかも知れない。