江戸初期に、スペインとローマに慶長遣欧使節が派遣されて、今年が、丁度400周年の記念の年に当たると言うことで、先稿の
日本スペイン交流400周年 1 (2013/6/26)
では、この使節に関連する話題を取り上げたところである。 続編の
日本スペイン交流400周年 2 (2013/6/29)
では、これまでの、スペインの大まかな歴史を取り上げた。
少し以前の事だが、スペインはこれまで、2度訪れ、マドリードと、トレドに行っている。 今回の一連の投稿で、改めて関心が深まったスペインであるが、本稿では、シリーズの続編として、この国の現在について、その概況と、文化的な側面について、筆者の知識や旅行時の印象も混えながら、見てみることとしたい。
◎現在のスペインの概況
ネット情報等も参考にして、現在のスペインの概要を眺めて見た。(スペイン - Wikipedia)
○地勢 面積 50万km2 日本の約1.3倍(日本は37万km2)(スペインの地理学)
スペインは、殆どが一塊りの陸続き (日本は大小多数の島々の集合)
島嶼は、地中海のバレアス諸島、モロッコ西北沖のカナリア諸島 位
ネットで、地勢図を見つけた。下図左では、山脈等が明確で、右図では、高原状の山地部と河川流域の平野部とが、色の対比で良く分る。
山脈 フランスとの国境はピレネー山脈 国内には、グアダラマ山脈 カンタブリカ山脈など
高原 国土のかなりの部分が、「メセタ」(meseta)と呼ばれる高原状の山地。
中央高原(イベリア高原)などと呼ばれる。 高原の平均高度は、600〜700m
河川 川の流域に平地:耕地面積 国土の25%(日本11%)
南部アンダルシア地方の沖積平野、地中海沿岸のエブロ川流域 など
土地利用(農林水産省/スペインの農林水産業概況)
農用地:国土の55%(日本の6倍) 高原利用の牧草・放牧地が国土の20%と多い
主な農産物
オリーブ・オリーブ油 共に生産量世界1
ブドウ・ワイン
柑橘類 米 畜産物 等
鉱業地 鉄(北部ビルバオなど) 亜鉛、水銀 等
○居住 人口 4600万(日本の約38%程)
民族 スペイン人、カスティーリャ人、バスク人など 12民族
言語 全国公用語は スペイン語(カスティーリャ語)
学校教育・マスコミ普及等で全国で通用
地方公用語が5
カタルーニャ語、バレンシア語、バスク語、ガリシア語、アラン語。
地域固有語が2
アストウリアス語 アラゴン語
宗教 キリスト教(ローマカソリック教)
レコンキスタ後、イスラムは残っていない?
○政治 立憲君主国 EU加盟(EEC時代から)
国王名や、首相名は、余り聞いたことは無い!
フランスとの国境に、アンドラ公国(仏・西が共同大公)(金沢市位の広さ)
過去の広大な植民地はほぼゼロ
モロッコ内に2つの自治都市(セウタ、メリリャ)を領有
南端の港ジブラルタルは英が領有
○経済 GDPは世界12位 (2010年)
EU内では、独、英、仏、伊の次
産業:農業国 鉱工業国
少し前、金融危機騒ぎ
失業率は現在も大
◎スペインの文化的側面
スペインの文化的側面は、かなりユニークと言えるだろうか。
○スポーツ サッカーが盛ん(リーガ・エスパニョーラ)
2012欧州選手権優勝で、2013コンフェデ杯に出場し、決勝進出したが、ブラジルに0−3で敗退。
W杯 2010南アフリカア大会優勝
2014ブラジル大会予選:欧州ブロック内で予選進行中(現在 スペインは I組1位)
マドリードが、東京、イスタンブールと共に、2020年オリンピック誘致3候補都市の1つ
スペイン第2の都市バルセロナでオリンピック開催(1976年)
○音楽 フラメンコ舞踊:ギターのリズム
ギタリスト:セゴビア、イエペス
ギター曲 :禁じられた遊びー映画音楽(原曲はスペイン民謡?)
アルハンブラの思い出(タレガ) これらの曲を、イエペスが演奏したCDを所持
ファリヤ:スペイン組曲
チェリスト:カザルス ドボルザークのチェロ協奏曲を演奏したLPを以前所持
歌劇カルメン組曲:ビゼー(仏)の作曲(カルメン (オペラ) - Wikipedia)
ジプシー女 カルメンが主人公
スペイン南部の歴史ある中核都市セビリヤが、物語の舞台で、「闘牛士の歌」という勇壮なアリアがある。
スペイン旅行時の土産にフラメンコ人形を入手
セビリヤの理髪師:イタリアのロッシー二作曲の喜歌劇。セビリアに住む理髪師フィガロが登場。
○文学 セルバンテス:ドンキホーテ・デラマンチャ 原語はカスティーリャ語?
風車相手に戦う奇想天外さ
⇒ミュージカル:ラマンチャの男 日本では、松本幸四郎の当たり役でニューヨークでも好演
○絵画 国立プラド美術館(ボッシュ ベラスケス ゴヤ など)
エル・グレコの宗教画(青色が印象的)
ピカソ(キュービズム)
ピカソ作:ゲルニカ(スペイン内乱での惨状) 小さなレプリカの土産物あり。
○建築 トレド、ゴルドバ、セビリヤ 等、往時の古都の多数の建築物が世界遺産になっているが、特に、以下の2件が著名。
グラナダ:アルハンブラ宮殿など(イスラム文化の匂い)
往時を偲んで、イスラム系の訪問者も多いようだ。
バルセロナ:Temple Expiatori de la Sagrada Família(カスティーリャ語) (サグラダ・ファミリア - Wikipedia)
日本語:聖家族(贖罪)教会 通称 サグラダ・ファミリア
当初、“サグラダ”(桜田?)とは、変な言葉と思ったが、英語の“sacred”(聖なる)の意と知ったのは最近のこと。
設計:スペインの建築家 ガウディ 着工:1882年〜 完成:建設当初は300年かかるとも。
現在は、2026年(ガウディ没後100年)が完成目標。
今や、スペイン随一の観光地のようで、是非、訪れてみたい。
サグラダ・ファミリア(建設中)
○食味 スペイン料理
魚介料理:パエリャ(ムール貝入りの米料理。大好物!)
カラマレ(イカのリング揚げ) など
スペインワイン
○闘牛 格闘技文化
闘牛は、スペインの国技と言うが、人間が牛を殺す闘牛は、見たいとは思わない。(日本の闘牛は牛同志の押し合いだけ)
ローマのコロッセオでは、人間とライオン等を戦わせて見物したという。