2014年9月26日(金) スコットランドの行方 2
先日行われた、スコットランドの住民投票については、当ブログの下記記事
スコットランドの行方 1 (2014/9/24)
で触れたところだが、本稿はその続編である。
○イギリスとスコットランドの歴史
現在の、連合王国UKに至るまでの歴史の概要は、以下のようである。
(イギリスの歴史 - Wikipedia より)
1536 イングランド、ウエールズを併合
1707 イングランド国とスコットランド国が合併⇒グレートブリテン王国
このように、約300年程前に、力関係で、戦いに敗れたスコットランドは、イングランドへ併合されたと言われる。
1801 グレートブリテン王国とアイルランド王国が連合⇒グレートブリテン&アイルランド連合王国
1922 アイルランドが、北アイルランドを残して、独立
1927 国名が、現在の
グレートブリテン&北アイルランド連合王国(UK)
となる。
世界の広大な植民地を擁した大英帝国イギリスの、その統治・支配手法には驚かされるのだが、国内的にも、名前や形の上では対等に見えるが、実質は不平等という、油断のならない、イギリス流の慇懃無礼と映る。
イギリスの皇太子を、プリンス オブ ウエールズ と呼んだり、現在の女王の夫(王配)を、エディンバラ公(スコットランドの首都)と呼んでいるのは、懐柔策でもある?
前稿にあるように、実際の政治では、スコットランドに地方議会が開設されたのは、ほんの15年前という、強かな支配ぶりであろう。
○スコットランドの独立願望の底流にあるもの
今回の独立騒動の原因は複雑だろうが、これまでの長い歴史の中で、積りに積った、支配者イングランドへの不満が、噴出したものとも言えようか。
中央集権的なイギリスでは、ロンドンへの一極集中が激しいようで、あるサイトには、真偽の程はともかく、GDPと雇用に関して以下のように出ており、富の不均衡が大きいようだ (2014年スコットランド独立住民投票 - Wikipedia を参照)
GDPでみた格差 ロシア 163%
ロンドン 69%
東京 14%
雇用創出 国内全体の43%がロンドン(人口は全国の13%)
政府系雇用 ロンドン +66300人の雇用 、エジンバラ − 3000人の雇用 (2010-2012 のデータ)
○愛すべきスコットランド
スコットランドとイングランドを対比した場合の、民族的な相異(人種、言語、宗教 等)については、良く把握していないのだが、そんなに大きな違いはないのだろうか。
スコットランドと言えば思い浮かぶのは、以下のような話題である。
・スコッチ訛り
以前出席した、スイスジュネーブでの国際会議(ITU CCITT)で、スコットランド出身の英国代表の、スコッチ訛りの酷い英語は、殆ど聞き取れず苦労させられた。
でも彼には、綺麗なキングスイングリッシュを話す他の英国代表よりも、人なつっこい親しみやすさがあった。
・音楽
格子縞模様でスカート風の、民族衣装 タータンキルトを着けて吹くバグパイプは有名だ。
バグパイプ (ネット画像より)
我が国で、近年歌われて来た歌には、下記のような、スコットランド民謡が多いのだが、これらの歌を、バグパイプの音色で聴いて見たいものだ。
蛍の光 故郷の空(麦畑) アニーローリー ロッホローモンド いとしジョニー
・洋酒
スコッチウイスキーは、一頃の外国土産の定番だったが、この所は、洋酒人気が低迷しているだろうか。
今月末から始まるNHKの朝ドラで、スコットランドのウイスキー造りも話題になるようで、ウイスキー人気が盛り返す切っ掛けになるかも知れない。
・スポーツ
UKは、サッカーの発祥の地という事で、欧州内大会やワールドカップでは、
England Scotland Wales Northern Ireland
の4地域(Country)とも、異例の、国家並みの扱いになっている。
また、セントアンドルーズは、ゴルフの発祥の地と言われ、世界4大メジャー大会の全英オープンゴルフが、5年に一回、この聖地の、オールドコースで開催される(2015年予定のよう)。
驚いたことに、憧れのこの難コースは、市が管理するパブリックコースで、誰でも利用できるようだ。