2024年6月17日(月) 季語 山滴る
10日ほど前だが、テレビを観ていて、「山滴る」という言葉があることを知った。
NHKのBS放送の、「夏の絶景とグルメ わたらせ渓谷鉄道」である。
ネットで調べたら、「山滴る」は、夏の俳句の季語と分かった。
俳句の季語は沢山あるのだが、山に関する季節を表す季語の話が、以下のサイトに出ている。
(参照:「山笑う」「山滴る」「山粧う」「山眠る」など山のつく面白い季語.html)
・春 山笑う(わらう)
・夏 山滴る(したたる)
・秋 山粧う(よそおう)
・冬 山眠る(ねむる)
筆者は、春と冬は知っていたが、夏と秋は初めてである。
この言葉は、中国の「臥遊録」という著作にある、下記の表現からきているようだ。
春山が淡治(たんや)にして、夏山が草翠(そうすい)にして、秋山が明浄(めいじょう)にして、冬山が惨淡(さんたん)としている様が思い浮かぶことだが、こちらの漢語調よりも、季語の表現の方が、分かりやすい。
・山笑うは、早春に木々の芽が動き出して、山全体が、ボーッと淡い紫色になる光景だ。
・山滴るは、青葉若葉の緑が鮮やかな光景だ。今にも、滴ってきそうな表現が素晴らしい。
・山粧うは、山全体が錦に輝く、秋山の光景だ。
・山眠るは、雪に覆われた静かな光景だろうか。
「風光る」という言葉(季語)も好きである。
これについては、かなり以前だが、当ブログで、下記記事を投稿している。
風の色は何の色 (2010/1/31) (無22)
記事では、NHKみんなの歌の、「風がきれい」が出来たいきさつについて触れている。
この記事の中で、筆者は、風光る、山笑うが気に入っていると述べているが、この頃は、山眠るは知っていたが、山滴る、山粧う、は知らなかった。
改めて、このような言葉(季語)を生み出した、中国と日本の先人達の、素晴らしい感性に脱帽である。