2022年4月5日(火) ウクライナのこと その6
これまで、ウクライナのことについては、「ウクライナのこと その1~その4」で触れた後、前稿の下記記事で
ウクライナのこと その5 (2022/4/2)
その1~その4について、簡潔に要約し、停戦協議の状況、NATOの発足とワルシャワ条約機構の状況、ソ連崩壊後の構成国の状況等について触れたところだ。
本稿では、続編のその6として、NATOの実態、ロシアの国内体制等について述べる。
〇NATOの組織機構
NATOの設立と加盟国等については、前稿で述べたので省略し、本稿では、組織機構等について触れることとしたい。
北米と欧州の諸国が加盟する、軍事同盟であるNATOの本部は、ベルギーのブリュッセルのエヴェレにあり、元ノルウエー首相のストルテンベルグ氏が、文官の最高責任者である、事務総長を務めている。
一方、軍の方は、下図にあるように、統合軍司令部は、アメリカ ヴァージニア州の、ノーフォークにあり、ベルギーのモンスに、欧州連合軍司令部があるようだ(図の①)。
また、下図に、一部が示されている様に、参加国の各地の基地に、連合軍の軍隊が配置されているという。
これまで、コソボ紛争などの有事の際に、連合軍が出動しているようだ。
今回のロシアのウクライナ侵攻に際しては、ロシアとの直接戦闘になる懸念があるため、ウクライナから要請されている、航空路規制などには、慎重である。
〇広大なロシア連邦
ロシアは、広大な国土が広がる多民族国家で、国内に、多くの州や、共和国などがある。下図は、ロシアの行政区画を示したものだ。
・灰色の地域は、州(oblasts)だ。 全国で46ある。図では、番号で表示されている地域が23あり、名前で表示されている地域が23ある。
・緑色の地域は、共和国(republics)だ。 全国で22ある。番号で表示されている地域が14あり、名前で表示されている地域が7ある。上図では、クリミア半島のクリミア共和国は含まれていないが、下図では、左端の22番が、そうである。
サハ共和国は連邦内で最大の広さだ。
・黄色の地域は、地方(Krais)だ。全国で9ある。番号で表示されている地域が1あり、名前で表示されている地域が8ある。
・赤印は、連邦市(Federal City)だ。連邦市は、図で表示されているのは、2で、首都のモスクワと、旧都のレニングラード(サンクトペテルブルグ)である。他に、クリミアにある、セバストポーリが連邦市となっている。
・他に、自治州(Autonom Oblasts)1と自治管区(Autonomomous Okrugs)4がある。
欧州に近い西の地域は、小さく区分されていて、日本の、県ほどの広さになるようだ。
東に進んで、ウラル山脈を越えると、行政単位もだんだん広くなり、中央部からシベリア地域にかけて、クラスノヤルスク「地方」や、サハ「共和国」などは、それぞれ、日本の約6倍、約8倍の大きさになるようだ。
この様に、広さも気候風土も民族等も、多様に異なる国土を統治するのは、並大抵のことではないだろう。
ロシア連邦について、改めて調べると、国土の超広大さに比して、人口が、2012年で、14365万人と極めて少ないのには驚かされる。
〇ロシアの政治体制
大統領の下には、ロシア連邦政府議長という、実務をこなす職位があり、首相に相当するようだ。
ロシアは、1991年のソビエト連邦崩壊後、1991年7月、初代大統領になったのは、彼の、エリツイン氏で、1999年迄続いている。
それを受けて、2000年に登場したのが、プーチン大統領である。
その後、大統領職と、首相職を取り換えっこするという、政権のたらい回しがあり、メドベージェフ氏が大統領に、
プーチン氏が首相になっている。そして、1912年に、プーチン氏が大統領に、メドベージェフ氏が首相に復帰している。
プーチン氏が大統領に復帰して現在まで、もう20年になる。首相職は、現在は、ミシュスティン氏の様だ。
プーチン大統領だが、2024年に任期が切れ、選挙で再選されれば、後2期12年、居座ることができるようで、独裁政治は続くこととなる。
(プーチン氏「83歳・2036年まで大統領」可能、刑事責任に一生問われず…法整備完了 _ 国際 _ ニュース _ 読売新聞オンライン.html )
プーチン氏は、ソビエト時代に恐れられた、秘密警察KGBの出身といわれ、怖いものなしだろうか。
〇余談
以下は、余談になるが、中央アジア諸国の名称は、地理好きの筆者にとっては、紛らわしく気になるところで、改めて調査してみた。
5か国の位置関係と首都名は、この際、憶えるとしよう。生き物の形に見えるカスピ海や、
アラル海や、バルハシ湖の位置も記憶しよう。
カザフスタン(アスタナ⇒フルスルタンと改称) ウズベキスタン(タシケント)
トルクメニスタン(アシガバット) タジキスタン(ドウシャンベ)
キルギス(ビシュケク)
××タンが多く、紛らわしい。キルギスは、キルギスタンとも言うようで、ややこしい。周辺には、アフガニスタン、パキスタンもある。