2021年2月16日(火)新型コロナウイルスの脅威再び 8
新型コロナウイルスに関しては、当ブログで、これまで何度も取り上げてきたが、直近の記事は、以下である。
新型コロナウイルスの脅威再び 7 (2011/1/11)
今回は。その後の状況について触れることとしたい。
◎感染状況の経過
ここで、昨年春以降から最近までの、感染者数の状況を以下に示す。(図は、ネットより)
一次感染 二次感染 三次感染 ↑暮れの最大値
↑緊急事態宣言 ↑緊急事態宣言
春の一次感染後、緊急事態宣言が、4月に7都府県に発出され、その後、全国に拡大された。その効果で感染状況が収まってきたため、5月後半に、宣言が解除されている。
そして、7月ころから、感染者数の増加があり(二次感染)、秋口には収まって来たが、暮れが近づくに連れて大きく増加して(三次感染)、大晦日には最大値(図の↑)を記録して驚いたことだ。
しかし、暮れの行事等が重なった「つけ」がまわって、1月には、最大値が、何度も更新されている! ↑
この感染状況に鑑み、緊急事態宣言が、下記のように、再度発令されることとなった。
1/7に、緊急事態宣言が4都府県(東京 神奈川 千葉 埼玉)に発令され、1/13には、対象地域に以下の7府県が加わって、11都府県に拡大された。
栃木 大阪 兵庫 京都 愛知 岐阜 福岡
そして、2/7に栃木は解除されたが、栃木以外の10都府県は、1か月間(3/7迄)、発令期間が、延長されていて、コロナ収束に向けての、最後の正念場となっている!
最近の感染者数の状況を下図に示す。(図は、ネットより)
上図の折れ線グラフは、1週間ごとの移動平均で、曜日の変動が平均化されて、全体の傾向がわかる。最近は、明らかに下降傾向であり、直近では、
2/12 307人
2/13 369
2/14 371
2/15 366
と300台なのは嬉しいことで、100台になればしめたもの。個人でもできる努力をしつつ、延長期間終了の3月7日を、迎えたいものだ。
◎重症者数
医療機関の負担を軽減するポイントは、重症者数といわれ、重症者数が多いと、収容する部屋(ICU)、機器(人工呼吸器,ECMO)の配備、医師・看護師の配置など、大変な対応が要求される。重症患者は、最悪の場合死亡することとなり、この場合は、更に、対応が大変となる。
逆説的にも聞こえるのだが、重症者数を減らす最大の対策は、新規感染者数(PCR検査陽性)と発症患者(軽症、中等症)を減らすことと言われる。つまるところ、コロナに罹らない、日常生活での地道な努力が基本となるわけだ。
最近の全国の重症者数は、下図の様で、減少傾向だが、かなりゆっくりな減り方である。どの位までに減少すれば、安心できるのだろうか? 200位だろうか?
因みに、直近の重症者数は、以下である。
2/15 全国 658人 東京都 97人
2/14 全国 668 東京都 103
2/13 全国 693 東京都 104
下図左は、昨年春以降の、重症患者数の経過を示したものだ。(図はネットより引用)
新規感染者数の推移から少し遅れて、似たようなグラフとなることが分る。
前出のグラフを、横方向に圧縮した図を、上図の右に示すが、同じような形状のグラフになることが解る。
◎ワクチン接種
ファイザー社製のワクチンが、一昨日、正式に厚生省で承認され、ワクチン接種に向けての大きな条件が整い、前進した。
国内の自治体での、諸準備が本格化していて、最近のTVの話題の中心だ。-75度の保存温度での輸送問題もクリアされている。
来週には、医療従事者の一部から接種が始まり、引き続き、全国の医療関係者に拡大されるという。
筆者を含む高齢者への接種には、早ければ、4月からとされていて、そして、全国民に広められる。
接種は2回行うが、2週間の間隔が必要のようだ。
ワクチン接種は、今後の社会活動の復活に向けての希望の光で、夏のオリンピックの開催の確度を上げるためにも、できるだけ、早く実施する必要がある。
欧州各国や米国では、既に接種が行われている。その中で、接種後の副作用(痛み、アレルギー反応、など)の報告も伝えられているが、肝心の、接種後の罹患状況のデータでは、ワクチンの有効性が示されている。
日本は、ファイザー社の他、モデルナ社、アストラゼネカ社からも、調達する計画で、全体は以下のようだ。
製薬会社 必要接種回数 契約量 人数 供給時期 記事*
ファイザー社 2回 14400万回 7200万人 2021年中
(米) 6000万人 6末まで
1200万人 7~9
アストラゼネカ社 2回 12000万回 6000万人 2021年1月以降
(英)
1500万人 3月まで
モデルナ社 2回 5000万回
(米) 4000万回 2021年前半
1000万回 7~9月
合計 31400万回 15700万人
*ファイザー社は、当初は、12000万回6000万人の契約だったが、2400万回(1200万人)追加された。
世界各国の契約状況は以下である(出典:チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は:日本経済新聞.html)
先進国を中心に供給量が多いのがよくわかる。
欧州各国や米国では、既に接種が行われており、最も進んでいるイスラエルの状況も伝えられている。
接種後の副作用(痛み、アレルギー反応、など)の報告も伝えられているが、肝心の接種後の罹患状況のデータでは、有効性が示されている。
変異ウイルスの関係で、ワクチンが利かなくなるのでは、との懸念もある。
国連のWHOが声をかけて設置された、貧困国向けにワクチンを集める仕組み「COVAX」があり、上図のコバックスはこれを示している。指し向き、英国アストラゼネカ社が供給することとなったようである。(WHO、アストラゼネカ製ワクチン承認 貧困国への供給可能に
ワクチンを接種する時の注射器の問題が、日本で表面化している。ボトルから注射器で取り出し、その注射器で、針を取り替えながら、6回接種できるとされているが、日本の注射器では、無駄な液が残るため、5回しか接種できないという。一種のチョンボだが、接種回数が全体で、1/6だけ少なくなり、大変な問題だ。
単純計算では、
当初 31400万回 15700万人
1/6減 ⇒ 26167万回 13083万人
となり、全人口はカバー出来そうだがーー。
この問題は、国会でも取り上げられているようだが、急遽、新しい注射器を準備するとしても、4~5ヶ月かかるようだ。