2020年12月25日(金)EUとイギリスが合意
イギリスのEU離脱問題(Brexit)に関しては、これまで、当ブログで以下のように取り上げている。
Brexit 1~4 (2016/7/2、7/9、7/13、10/10)
Brexit その後、その後続 (2019/1/16、2/1)
イギリスの総選挙とEU離脱 (2019/12/21)
Brexit 実行へ (2020/1/31)
この間、イギリスの首相の交代や、EUの幹部の交代などがあり、離脱期限の延長もあった。
今年の1月で、イギリスは正式にEUを離脱し、今年の12月末までの移行期間内に決着すべく、両者間で、交渉が続けられた。
そして、昨日、EUとイギリス間で、自由貿易協定などで合意された、という、クリスマスイブのプレゼントのニュースが流れたことだ。
合意は無理と予想していた筆者には、信じられない出来事ではある。
EUとイギリス間で、人の移動、モノの移動、通貨なが、今後どうなるのだろうか?
久しぶりに、Brexitを取り上げることとしたい。
◎合意の発表
EUとイギリスの双方の首脳から、24日に、合意できたことを発表。 下図は、イギリスとEU 自由貿易協定などの交渉で合意 _ 英 EU離脱 _ NHKニュース のサイトから引用。
英 ジョンソン首相 EU フォンディアライエン委員長
◎合意の内容と難航した対立点など
内容等は、まだ公表されていないため、以下は、筆者の推定等である。
人の移動 イギリスはEUの域外となり、自由な移動が制限される
モノの移動 双方の間で、新たな自由貿易協定を締結する
カネの移動 イギリスの通貨は、ポンドが復活
イギリスでは、ユーロは、国外の通貨となる
漁業権 イギリス領海での漁獲は、25%を、イギリスに納付
(今回難航した対立点の一つ)
司法権 イギリスは、EUの司法裁判所に拘束されない
◎北アイルランド問題
北アイルランドは、イギリス、EU双方にとって、最もデリケートな地域である。
自由貿易協定では、手続きが分かりやすく、公正で、離脱することで、いいとこどりにならないようにする必要がある。
これまで言われてきた、バックストップ条項に近いものだろうか?
この条項の詳細は未調査だが、貿易協定の交渉が纏まるまでの歯止めとして、現行の関税ルールを継続する案と言われている。
◎今後のスケジュール
EU 貿易協定に関する検討を始め、12月24日に詳細を検討。
加盟27カ国によるEU議会の承認が必要
英議会 12月30日に貿易協定に関する協議と採決を行う。
EUのフォンディアライエン委員長は、合意までは、曲がりくねった道だったと所感を述べている。
今年末から来春にかけて、具体化される合意内容に注目したい。