2020年11月30日(日) 新型コロナウイルスの脅威再び2
当ブログでは、先日、新型コロナウイルスの脅威について、
新型コロナウイルスの脅威再び1 (2020/11/23)
で、久々に取り上げ、東京都と全国都道府県の新規感染者の、危機的な第三次の感染拡大について触れた。
先日27日の東京都の新規感染者数は、570人と、これまでの最高値となり、札幌や大阪など、各地でも感染が拡大している危機的な状況で、28日も、ほぼ同様だ。
本稿では、前回の続編として、
・ウイルスとそれによる感染症
・マスク着用、消毒などの日常的な行動
等について触れたい。
◇ウイルスと感染症
今回の世界的な感染拡大の病原は、新型コロナウイルス(COVID-19)と言われ、呼称は、2019年末にWHOで決まった。先行して流行した、SARSから派生した、SARS-CoV2ウイルスという。(下図)
ウイルスの人体内での潜伏期間は、8~14日程度とされている。
NIAID―RML
人類がこれまで経験したウイルスが原因の病気には、身近なものとして
SARS,MERS、エボラ出血熱、デング熱、
インフルエンザ(毎年のようにやってくる)
等がある。他に、エイズウイルスなどもある。
この中で、
SARS 2002年中国で流行し、蝙蝠が原因と言われるが、突如、2年間で死滅したと言われる。
MERS 2012年 サウジアラビアなどの中近東で流行し、ラクダが原因と言われるが、現在も、細々と残存して
いるという。
COVID-19 2019年暮れから流行し、現在、世界的パンデミック状態だ。
目に見えないウイルスが病原だけに、今回のCOVID-19は、どのような風に感染伝搬していくのかの仕組み等は、まだ明確になっていない。
検査で陽性となって感染者となっても、症状がなく、潜伏期間は、8~14日程度と言われるが、8割の人は自身の抵抗力で治ってしまうようだ。
先日の24日には、地域の診療所での例会で、診療所の院長の講話を聞いた。
参加者は、50人ほどで、女性の高齢者が主体の集まりだ。
講話のタイトルは以下。
「インフルエンザと新型コロナウイルス」ーーーこの冬に両方流行するのか?」
コロナの話は、今回で3度目で、上述のコロナウイルスのことや、検査の話、治療や予防の話などを聞いた。本稿でも、下図など、多くを参考にしている。
◇日常的な感染対策
ウイズコロナ( With CORONA)で、ウイルスと共生した習慣化が大事である。
〇マスクの着用
これまでは、マスクは、風邪を引いた時や、歯医者などが治療時に着ける程度だった
が、最近は、外出時は、マスク着用が普通になっている。
・種類 一般用(性能が高度な医療用もある)
布製/不織布製で、長短がある
口元が見える透明なフェイスガードもある。
・効果 出るを防ぐ・入るを防ぐのが目的だが、後者は殆ど効果がないと言われる。
エチケット的な意味合いもあるが、一時、過剰反応の「自粛警察」もあった。
効果についての、スパコン(富岳)を使ったシュミレーションでは、出る飛沫エアロゾル)の飛散範囲と滞留状
況が示され、窓の開放やエアコンの効果が証明された。
世界トップクラスのスパコンが登場するところが凄く、説得力がある。
(人と会うときは不織布マスク 素材、形状で性能差 「富岳」分析 )
〇出入時の消毒
店の出入口には、アルコールが常備されているのが一般化
手の消毒
店側では、テーブル等の触る箇所のアルコール消毒も行っている。
帰宅時のうがい(嗽)の励行
〇距離 ソーシャルディスタンス(Social Distance)が流行語から、定着
スーパーでの距離を置いた行列とカウンターでの間仕切りは、当たり前に習慣化している。
レストランでの席の配置の工夫も行われている。
接触を避ける、身振りのハイタッチや、エルボウタッチのジェスチャーもある。
〇防護
最後の砦として、逃げ場がない第一線の医療関係者は、防護服で武装する。
千円ていどの安価なものから、高度な完全武装まであるようだ。(下図)
◇検査・診断
・抗原検査
抗原検査は、体に、抗原(antigen)であるウイルスが入って居るかどうかを調べるもので、PCR検査は、最も効果的な方法として、多用されている。
PCR検査については、この春の記事
新型コロナウイルスの脅威 (2020/3/9)
で取り上げているので、此処では省略する。
PCR検査 費用は、自己負担時 1.5万位、行政検査(指定病院)は無料
抗原迅速診断キットは、安価だが陽性的中率がやや低いようだ。
この夏、筆者が、腫瘍除去で入院した時に、PCR検査を受けた。入院の一環だったため、費用は、3千円程度と安価だった。
細い金属製の綿棒を、鼻から挿入する時は、痛みはないものの、不思議な感覚。受診する側は一人だが、検査する側は、同じことを何度も繰り返す単調さについて、担当者に聞いたら、順番に交代しているという。
下図は、著名人であるアメリカの州知事が、PCR検査を受ける風景で、怖くはないとPRしているようだ。
・抗体検査(体にウイルスが入った反応があるかどうかを調べる)
体内にウイルスが侵入すると抗体(antibody)がつくられる。
血液で検査する
検査キットが市販されているが精度は低く、厚生省が承認したものはない。
必死の対策が間に合わず、感染が拡大し、多くの人が抗体を持つようになると、蔓延が収まるという、皮肉的な結果となることもようだ。
次回は、コロナ感染の、社会的な側面を取り上げたい。