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新型コロナウイルスの脅威

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    2020年3月9日(月) 新型コロナウイルスの脅威

 

 新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)が、あっという間に広まって、国内外を席巻している状況が続いており、TVのニュースは、どのチャンネルも、連日この話題で持ち切りという、異常事態である。抵抗力が少ないと言われる後期高齢者の一人である筆者としても、他人事ではない。

 身近に迫って来ている予期せぬ脅威について、自分なりに、調べて整理してみることとした。

先ず、発端となったクルーズ船と、PCR検査の話題である。

 

〇大型クルーズ船から始まる!

  横浜港から出港し、鹿児島、香港、ベトナム、台湾と寄港し、沖縄経由でまた横浜に戻ってきたクルーズ船「ダイアモンド・プリンセス号」から、我が国のコロナウイルス騒動が始まった。(以下は、現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例.url 参照)

  客船の巡航途中、香港で下船した乗客から、2月1日、新型コロナウイルスの感染が確認された。客船は2月3日に横浜に戻ってきたが、下船が許可されず、乗客乗員全員の健康診断が実施された結果、2月5日に、症状のある人からウイルス感染が確認された。この日から14日間に亘って検疫が行われ、乗客は、船内に缶詰状態で留め置かれた。

  当時、中国湖北省の武漢市では、大変な数の新型コロナウイルスの感染者が発生していて、日本としては、水際作戦で国内へのウイルスの侵入を防ごうということで、何とか食い止められるのでは、との期待もあった。

 

  客船内の人員は、約3700人(乗客2666人、乗員1056人 計3711人)だが、船内の感染者は増えていき、その都度、国内の病院等に搬送されるとともに、客船内での防護区域の設定・隔離など、病院に準ずるような難しい問題もあり、当事者は大変な状況だったと思われる。

  観察期間経過後は、黄色のバスで搬送され、元気な日本人は自宅へ帰り、外国人は、チャーター機で自国に帰るなどが相次いだ。

  慌ただしく報道された日ごとの状況については、此処では省略する。

 

  この3月1日、厚労省から、客船の全乗客乗員の下船が完了したとの発表があった。(クルーズ船、乗客乗員全員の下船終了 横浜港を出港へ [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル.url

 このクルーズ船は、イギリス船籍で、運行しているのはアメリカのプリンセス・クルーズ社と言われるが(製造は、日本の長崎)、今後は、船内の消毒整備後、移動する予定という。

              ↓搬送用の黄色バス

  

             海側からのダイアモンドプリンセス号(ネットより) 

  一生に一度の楽しみにしている利用者も多いというクルーズ船の船旅だが、世界的なコロナウイルス感染の広がりの中で、現在進行形で地球上を運航中の多くのクルーズ船はどうしているだろうか。

  横浜などで入港を拒否されて、各国でも盥回しに遭った、「ウエステルダム号」は、なんとか、カンボジア南部のシアヌークビル港に2月13日に入港出来たようだ。また、COVIDー19の患者が出ていて、目下、カリフォルニア沖合での停泊を命じられている「グランド・プリンセス号」などの話題もある。

  今回のこれらの騒動で、今後、豪華客船によるクルーズのイメージが変わる心配はないだろうか。以前、家内が、日本郵船のクルーズ船「飛鳥」の乗員(ベビーシッター)として、何度か乗船した経験があるだけに、筆者としては気になるところだ。

 

 〇PCR検査

  幾つかの話題を取り上げる予定だが、まず、PCR検査である。

PCR検査とは、DNAポリメラーゼ連鎖反応を活用して、目的のウイルスに感染しているか否かを判定する検査のことで、筆者は、先月末だったか、国会での総理の答弁の中で初めて聞いた用語なのだが、最近では、TV等でも、普通に聞かれるようになっている。今年の流行語大賞候補の一つになるかもしれない。

 

 受け売りだが、PCRとは以下の頭文字という。

Polimerase Chain Reaction: ポリメラーゼ連鎖反応

  Polimerase 長鎖を合成する酵素の名称

  Chain      連鎖の

  Reaction   反応 

ウイルスの構造は、細菌とは異なり、細胞膜を持たず、核の中に、DNA、RNA遺伝子が螺旋状になっているという。生化学的に、検体となるウイルスの核中の螺旋状の遺伝子を解きほぐして、酵素の触媒作用でDNAを増殖させることで、検出能力を高めて行う検査法という。被験者の粘膜等から採取した少量の検体を、何倍にも増殖させて、その中に病原となるウイルスがいるかどうかを調べる訳だ。

 遺伝子工学や生化学分野の技術として、この方法を編み出した、米国の生化学者 キャリー・マリス氏と、カナダのマイケル・スミス氏に対して、20数年前の1993年、ノーベル化学賞が授与されているようだ。

この方法が見つかって以降、ウイルスや遺伝子分野の研究が大きく前進し、今も、日進月歩と言われ、今回のウイルスだけでなく、ノロウイルスやエイズウイルスの研究など、多方面に使われているようだ

 

 PCR法が編み出される前の、従来の検査法では、1dl中のウイルス数は、500万個も必要だったのが、PCR検査法では、100~1000個あれば良くなったという。検出能力で見ると、500万/1000=5000倍に上がったことから、検査に必要なサンプル数が、大幅に少なくて済むようになったという。(残念ながら、この数値のネットの出典は、行方不明になってしまった!)

 

 現行のPCR検査装置では、判定結果が出るまで、1~数時間かかるという。検査装置は、国産ではなく外国製のようで、値段は300万円程と高価で、この検査装置が設置されている国内の機関は、正確な情報は分からないが、国立感染症研究所と地方の専門機関、大学病院等と、国内では、大都市地域が主で、地方では、ごく限られているようだ。各機関には、勿論、専門の医師や医療スタッフ等が必要なのは言うまでもなく、採取した検体を運搬する手段の問題もある。

 下図のPCR検査装置の写真は、以下のネット記事から引用させてもらったが、記事では、地方である福井県の状況が示されている(現時点で、福井県では、感染者は出ていない)。(新型コロナウイルス検査確定は何時間 遺伝子で感染調べ、終日可能に  社会  福井のニュース  福井新聞ONLINE.url


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